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日本グリーフ専門士協会 ブログ

誰かとつきあうのが不安という女性への心がけ  

こんばんは。
日本グリーフ専門士協会の井手敏郎です。

渋谷のスターバックスでパソコンに向かっています。
若者が多い街が刺激があって楽しいですね。
今日は恋愛がらみの話です。
 
大人か子供に限らず、
生きる自信や自己肯定感をもてない人が増えています。
 
何をやってもだめ……
生きている意味がない……
もう死んでしまいたい……
いわゆる自分は「価値のない存在」だと感じている人たちです。

「平成26(2014)年版 子ども・若者白書」によると、
日本は諸外国と比べて自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、
自分自身に満足している割合は、
「アメリカ」がもっとも高く86.0%、
「日本」はもっとも低く45.8%でした。
以前、相談を受けた30代の女性は、
結婚を約束していた男性が突然交通事故で亡くなりました。

5年がすぎ、声をかけてくれる男性がいても、
いつもお付き合いは短く終わってしまうとのことでした。

話を聞いたのはそんなタイミングです。

どうせうまくいかない。
つきあおうとしてもいつも不安だし、
ときどき自分の生きている意味がわからなくなると彼女は語りました。

自分を心から必要としてくれる存在は、
人に大きな価値を与えてくれることがあります。
ましてや結婚を約束していた相手が突然亡くなったのです。
家族同様に気持ちを引きずるのは当然でしょう。

しかしお付き合いの事実を知らない周りから、
何もなかったように接せられることに怒りが湧き、
自分を置いて亡くなった彼氏にも怒りをぶつけたい気持ちになったといいます。
結局、恋人が亡くなった半年後、彼女は職場を辞めました。

大切な人を失うと、「裏切り」を感じることが少なくありません。
けして意図的に裏切ったものではありませんが、残された人にとっては、
自分だけを残して逝ってしまったことに怒りを感じるのです。

また突然の死を前にすると、
他の人も突然、自分の前から去るのではないか、
という不安も大きくふくらみ、周りに懐疑的になります。

予想もしないことが起きた、それはまた起きる可能性がある。
そう思うと、誰かとつきあうことが怖くなるのです。
実際、彼女が男性とつきあえなかった理由は、
連絡が急に途絶えると極度に不安になるからだとわかりました。
連絡が少なくなると腹がたち、関係がこじれてきたようです。

このような方と向き合う場合は、こまめに連絡をとり、
できるだけ安心感を与えるようなコミュニケーションが大切です。

少しくらい遅れても大丈夫だろう。
いろいろ事情があるのもわかっているはずだ。
仕事の事情で約束が変わるのは仕方がない。
彼女にとってそんな接し方は不安で耐えられないことでした。

自分が小さな存在に思え、約束を違えられるのは
自分に価値がないからだと考えるまでになったといいます。

では安心感を与えるコミュニケーションとはなんでしょうか。

ほんの一例ですが、
約束は守る。
できるだけ変更をしない。
もし送れるときは一本連絡を入れる。
そんな気遣いが、相手には大きな安心となり、
生きる自信へとつながっていきます。

最近、彼女とつきあい始めた男性は、
その点を心得ている人のようです。

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井手 敏郎(いで としろう)

井手 敏郎(いで としろう)

日本グリーフ専門士協会の代表理事。 全国各地で現場で使える実践的なグリーフケアの技術を教える講義を行っている。 アドラー心理学やユングの分析心理学、フロイトの精神分析などの他、国内外のコーチング、カウンセリングやヒプノセラピーなどについても学んでいる。現在はカルフォルニア臨床心理大学院で臨床心理の研究を行う。

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