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日本グリーフ専門士協会 ブログ

【グリーフを抱えた人に起こる7つの感情的な局面】哀しみによる「混乱」から「再生」のプロセス

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哀しみが引き起こす7つの局面

日本グリーフ専門士協会の
野村です。

前回の記事ではグリーフを抱えた
クライアントさんが「内側の気づき」を
得る事のできる関わりが大切、

というお話をさせて
もらいました。

実際に「内側の声」を
きちんと聞くにはじっくり
向き合うということも大切
なんですが、

グリーフを「聞く技術」と
いうのも大切になってきます。

実際に看護や介護の現場では
じっくりと向かい合う時間は
なかなかとれないかもしれません。

だからこそ、

短い時間でも相手にとって
良い関わりができる技術が
大切になってきます。

グリーフを抱えたクライアントさん
との関わり方は、その方がどんな状況に
あるのかによっても変わってきます。

そこで今日はグリーフ(喪失の悲嘆)が
引き起こす7つの局面についてお伝え
したいと思います。

 グリーフが引き起こす7つの局面

大切な人や家族などを失った時に
起きる感情をグリーフといいます。

自分にとって大切なものを
失って喪失感を感じている状態も
グリーフです。

私たちグリーフ専門士はグリーフの事を
「喪失の悲嘆」と呼んでいます。

人間の感情は時間や場所、
まわりの環境などによって
常に変わり続けますが、

グリーフという哀しみの感情も
同じように変化します。

人はグリーフの状態から
徐々に回復していって、
最終的には「再生」という
プロセスに移ります。

哀しみの状態から再生へと移るまでの
プロセスを「グリーフスパイラル」
呼んでいます。

なぜ「局面」と読んでいるかというと
人はグリーフの7つの状態を何度も
行き来しながら再生への道を進むからです。

 グリーフ・スパイラルという概念

この7つの局面には

1.混乱
2.否認
3.怒り
4.抑うつ
5.諦観(ていかん)
6.転換
7.再生

があります。

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これは必ずしも順番に
進んでいくものとは限りません。

死別のショックを受けている混乱期から
怒りの状態が起こったり、

また諦観の状態から
また混乱を迎えたりもします。

そんな風に様々な局面を
迎えながらも最終的には
再生へと向っていきます。

大事な事は、

それぞれの感情がいったり
来たりはしますが、それは全て
再生へのプロセスとなっていると
いうことです。

「5.諦観」の状態からまた「1.混乱」の
状態にはいると、外側から見ている分には
また前に「戻ってしまった」ように感じます。

ですが、それらは基本的に再生に向って
進んでいるプロセスだといえるでしょう。

私たちがグリーフを抱えたクライアントと
接する上でこのようにグリーフ・スパイラルを
意識して接することができれば、クライアントに
対する理解がとても深いものになります。

特に死別の悲嘆にくれている人は
周りからのサポートをとても必要と
しているケースが多いので、

こういった知識を持って接してあげることで
人としての「つながり」が感じられて
クライアントさんは安心します。

 私たちはみんな、繋がりを求めている

私たち人間は他の動物と違って
「人との繋がり」が無ければ
生きていくことが難しいと言われています。

ビル・クリントン大統領やブッシュ大統領
などへも関わった世界的なコーチ、

アンソニー・ロビンスは「人との繋がり」を
人間の根源的な欲求の1つだといっています。

私たちは人との繋がりや愛を深く感じる時
生きていると実感します。

逆に繋がりが感じられなくなり
孤独感を感じると、どのようにかして
人の注意をひこうとします。

人は他人との繋がりを通して愛情を感じようと
するので、それが感じられないとなると
大きなフラストレーションを感じます。

 グリーフによって「断絶した」状態から
「繋がり」を感じるまで

このような人間の根源的な欲求の1つである
「繋がり」が絶たれてしまうグリーフという
状態はその人の人生に大きな影響を与えます。

そんな時、私たちのようにグリーフケアの
活動を行う人たちとの関わりで救われたと
感じる方もたくさんいます。

喪失感を感じている人が繋がりを
感じられるようになるまでは決して
平坦な道のりではないでしょう。

だからこそ、グリーフについて
きちんとした知識と技術を持つ
グリーフ専門士という存在はとても
大切なのだと思います。

・・・今回はグリーフ・スパイラルと
いう概念についてお伝えさせてもらいました。

実際のところ、この概念は
まだまだ奥深くて今回の説明だけでは
全然足りないのですが、

知っているのといないのでは
関わり方が変わってくることが
分かってもらえたと思います。

このことについてさらに深く理解して
グリーフケアに活かすにはどうすれば
いいでしょうか?

少し考えてみてもらうと
新たな関わり方が見えてくると思います。

日本グリーフ専門士協会
野村優

追伸:
次はグリーフ・スパイラルの
「混乱」という状態について
もう少し深くお話します。

他にも「こんなことを知りたい」
「こんな時はどうすればいいですか?」
などの質問もお待ちしています。

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たくさんの方の役に立つ質問が

集まったら、代表の井手も交えて
WEB講座などをやろうかと考えています。

ぜひ気軽に質問をしてくださいね。

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野村 優(のむら ゆう)

日本グリーフ専門士協会の広報担当。 協会の代表理事 井手の考えに共感して2015年からグリーフケアを広める活動を始める。 厳しい現場で働く看護師、介護士の人が使えるグリーフの知識を分かりやすく伝えるところが評価されている。 ロジカルな説明口調なので冷たいイメージを持たれるが、実際にはよく笑う人当たりの良いキャラクターで周りを和ませている。

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