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日本グリーフ専門士協会 ブログ

辛いグリーフの中で発見した事

個人的なグリーフの体験談

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日本グリーフ専門士協会の
野村です。

これはとても個人的なことなのですが、

私自身の中で最近起きた、
グリーフの体験と発見について
お伝えしたいと思います。

ほんの9日ほど前に私は
自分にとってかけがえの無い人
との関係を失いました。

それは自分が想像していた以上に
辛い出来事でした。

でも、

その中で得た気づきがあったので
あなたにお伝えしたいと思います。

グリーフケアをどれだけ学んでいたとしても
喪失した時の「反応」は起こります。

大事な事はその「反応」に
どのように対応していくのかと
いうことだと思います。

ここでお話することは
喪失で辛く苦しんでいる状態から
どのようにして再生していくのか、
という部分についての話です。

読むことで、
グリーフケアをする側の立場として
また実際にグリーフで辛い状態にある
人の現実を理解する助けになるかもしれません。

心だけでなく、身体にも
グリーフによる反応がおこる

冒頭でお伝えしたように、
私は人生においてとても大切な人を
失うことになってしまいました。

とても個人的なことなので
その人についての話は省略させて
もらいますが、

私にとっては母親や父親以上に
大切だと感じていた人です。

私は幼いころに母親と離別して
いて、それ以来父親ともあまり良い
関係ではありません。

そういった意味で、
私は家族というものを
あまりよく知りません。

そんな中で得た大切な繋がりを
9日ほど前に突然失うことになりました。

これまで経験したことの無い痛み

その体験から私が感じたことは、
自分自身の想像を絶する辛い感覚でした。

私は以前に母を失っていますが、
その時に感じた喪失よりも大きな痛みでした。

心の状態

としては、

真っ暗なトンネルの中にいきなり
放り込まれたような感覚で、

世界中で自分が独りだけになって
しまったような感覚になりました。

不安と恐怖で仕方がない感情が
胸の奥から起こってきました。

それは寂しく、息苦しくて
希望をまったく感じることができない、

そんな状態でした。

毎日常にその出来事が頭の中にあって
仕事に集中することもとても
難しい状態が続きました。

それから、

「とにかく誰かと
コミュニケーションしていたい」

という繋がりを求める感情が
起きてきました。

また、混乱状態の心の中で
「自分の身体を傷つけたい」
という衝動が起きていました。

これはトラウマを追体験した時などに
現れることもある感情です。

身体の状態

からだの反応としては
涙が止まらない、
少し歩いただけで息切れがする、
また思い出すと過呼吸が起こる、

そして夜は眠れないという状態でした。

寝ても数時間で目が冷めてしまい、
意識が戻ると辛い想いが起きてきます。

また眠っているときも悪夢を見ている
感じでした。

身体はだるく、重いので
歩くこともしんどいです。

日常的に運動をしていたのですが、
身体を動かすこともしたくない
そんな感覚でした。

「このままではダメだ」

そんな状態が起こってすぐに
私は「これはマズイ」と感じました。

身体がコントロール不能な状態に
陥っていたからです。

とはいえ、

こんな状態だと自分だけでは対応する
ことはとても難しいことも理解していました。

そこで私は専門家の助けを借りることにしました。

幸い私には日本グリーフ専門士協会の
代表の井手とのつながりがあります。

そこで私は電話をとって
井手に自分の状態を伝えることから始めました。

友人たちに自分の感じていることを
伝えることは出来ますが、「感情を出す」
だけでは充分でないことは沢山あります。

そんな時、専門家の力を借りることで
痛みが和らいだり、身体的な症状が軽くなる
ということが起こります。

また専門家は「感情を引き出す関わり方」を
理解しているので、グリーフの感情を安全な形で
解放していくことができます。

幸い私が電話をした時、
井手とその日会うことができる事に
なりました。

私は井手のいる茨城まで電車で2時間ほど
かけて向かいました。

そして彼と会って、その場でセッションを
受けました。

「体感」を得る

セッションの中で私は
自分の言葉では理解していなかった
感覚がほどけるのを感じました。

言葉だけのカウンセリングでは
こういった体感を得ることは
難しいのですが、

その場の空間を使ったセラピーを
受けることで少し認知の変化が
起こり始めました。

自分が深く入り込んでいた
1つの感情から少し抜けて、

また別の見え方が見えてきたという
感覚でしょうか。

「変化」をもたらす経験

いくつかのセラピーを続けるなかで、
自分の中の冷静な部分が見えてきました。

そして耐えられない程の心の痛みが
少し和らいでいることを感じました。

私がこの体験の中で気づいたことは
ある種の発見でした。

私は独りだと感じていたのに
実際はそうではないことに気づきました。

グリーフによって起こることは
耐えられないような悲しみだけでなく、
それまで気づいていなかった繋がりの
発見だということを感じました。

これはグリーフの体験が無いと
気づくことの難しいものだったと
思います。

辛く悲しい自分の状態で
そんなことを話せるのは
誰でも良いわけではありません。

話を受け止めてくれる友人や
自分と近い体験をした人を
選びます。

私は今の息ができないような辛さの中で、
なんとか自分を保つために、

それまで会話をしたことがなかったような
繋がりの人ともコミュニケーションしました。

そして、そこから得ることは
とても意味のある学びでした。

そういった体験をしたからといって
1日や2日で元通りになる訳では
ありません。

ですが、

少しずつ日常を取り戻す
ということができてきています。

私はグリーフという状態を体験を
することで、これからの人生で深い意味を
もつ学びを得ることができました。

この学びが私の中に気づきを起こし、
行動を変えています。

行動が変わっていることで
得るものも変わってくるでしょう。

そしてまた成長できると感じています。

トンネルの先には必ず出口がある

今回はとても個人的な内容だったので
お伝えすることに少し抵抗がありました。

ですが、

私自身のグリーフの体験を通して
ケアをする側の人、今グリーフの中にいる人に
何かしら気づいてもらうことができるのではと
思って話しました。

グリーフとは真っ暗なトンネルの中にいて
出口が見えないような感覚ですが、

その先に光が見えることで痛みが
和らいだり、安心という感情が起こります。

グリーフケアを提供する側の私たちは
トンネルの先にある光を伝える存在なのでは
ないかと思います。

もしあなたの周りで喪失の悲嘆(グリーフ)
で苦しんでいる状態の人がいるなら、

その方が光を感じることができる
関わりをしてあげてください。

長いメールを読んでいただいて
ありがとうございました。

それでは、またメールしますね。
日本グリーフ専門士協会
野村優(のむらゆう)
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野村 優(のむら ゆう)

日本グリーフ専門士協会の広報担当。 協会の代表理事 井手の考えに共感して2015年からグリーフケアを広める活動を始める。 厳しい現場で働く看護師、介護士の人が使えるグリーフの知識を分かりやすく伝えるところが評価されている。 ロジカルな説明口調なので冷たいイメージを持たれるが、実際にはよく笑う人当たりの良いキャラクターで周りを和ませている。

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