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日本グリーフ専門士協会 ブログ

グリーフを抱えた人に勇気を与える方法 | 悲しみの中にいる相手を動かす力

グリーフから抜け出す勇気づけ

170508blog

野村です、

あなたは人に「勇気」を与える方法に
ついて考えたことはあるでしょうか?

私は多くの人にカウンセリングを
させてもらう中で、

どうやったら「勇気」を
与えられるだろう?という事に
ついて考える事がよくあります。

勇気があれば、新しいことに
チャレンジしたりすることもできます。

また辛い状況を抜け出す
という決断をすることもできます。

勇気とは、自分自身の未来を
信じることができる状態とも
いえるかもしれません。

未来に対してポジティブなことを
期待することができれば、
その人は活き活きとしてきます。

勇気を感じている心の状態にあると
人は本当に信じられないような力を発揮する。

そういったことを何度も見てきました。

共感が心の繋がりを作る

人に対して勇気を与えるということは、
お互いの心の繋がりが必要になります。

お互いの事を信頼できないで、
疑っているような人間関係では
勇気を与える事はできませんよね。

『深い心の繋がり=深い共感』と
いえるかもしれません。

お互いのことを深く理解し合えている状態は
非常にパワフルな状態です。

ここで興味深い話があります。

あるカルト教団の話です。

アメリカで恐ろしいカルト教団がいました。
彼らは「終末論」を教義として教えていました。

彼らの教えを一言でいうと、

「この世はもうすぐ終わりを迎えるから、
その前に天国に行けることをしよう」
というものでした。

そしてその教祖と信者たちは
集団で犯罪行為を行いました。

その出来事は地元のニュースでも
大きく取り上げられ問題視されました。

犯罪行為はすぐにバレて、
信者たちは捕まりました。

ある新聞記者が逮捕された
1人の信者に聞きました。

記者「どうしてこんなことしたんですか?」

その女性の信者は、
虚ろな目でこう答えたそうです。

「私のことを理解してくれたのは
彼(教祖)だけだったの・・・」

「理解する」と言葉にすると
シンプルですが、自分のことを
理解されたいという心理は非常に
強力だということが分かる
エピソードだと思います。

あなたはここから何を学べるでしょうか?

「理解」というのは非常に強力な力です。

包丁やナイフと同じで使い方を
間違うとケガもします。

ですが、正しく使うことで
その力を人を救う強力な力として
使うこともできます。

人が行動する理由

人間が何かの行動を取る時、
意識している、していないに
関わらず何らかの「理由」があります。

あなたの近くにいる友人が
理解できないような行動をとったとしても、
その人にとっては意味がある行動だったりします。

人間同士がコミュニケーションの中で
とるほとんどの動作や会話、

その裏側には「理解されたい」
という欲求があると考えられています。

類は友を呼ぶ、といいますが
実際に人は「理解できる者同士」で
集団を作ります。

逆に「お互いに理解出来ない」から
人はケンカしたり、離婚したり、
他人を批判したりします。

「理解する」ことそのものには「良い」も
「悪い」もありません。

理解できないからといって、
それが悪いことではありません。

ただ単純に人は自分のことを
理解してくれない人と一緒にいることが
居心地悪いだけです。

言い換えると理解さえされていれば、
一般的にみて「それはダメじゃない?」と
言われることでさえ人は受け入れます。

全てとは言いませんが、
DVなどの暴力も当てはまることがあります。

酷い暴力を受けていても本人は
「彼は私のことを理解してくれているの」
と暴力を正当化することさえあります。

理解している「つもり」

このように自分の事を理解される、

ということは本当に強力なパワーを
持っています。

ですが、ここまで聞いて

「うん、理解することは大事だよね。
言っていることは分かるよ」

と思ってしまったら要注意です。

多くの人は理解できている
「つもり」で実際にはできていません。

自分の親でさえ、本当の深い部分で
理解するという事ができている人は
少ないのではないかと思います。

その理由ですが、人は相手にたいして
「こうあって欲しい」と思う気持ちが
存在するからです。

その気持ち自体に良いも悪いもありません。

良い期待をすることは良いことだと思います。

ですが、そういった思考が働いているときは
正しい情報を見ることが難しくなります。

「彼はこういう人だから」
「あいつはあういう奴だよね」

という思い込みが理解を邪魔することがあります。

ある日、

歯医者さんにいったときのことです。

静かな診療室で突然、
赤ちゃんが泣き始めました。

そこにはパンチパーマの
ものすごい怖そうなオジさんが
イライラした不機嫌な顔でそこにいました。

その場にいた人全員が
「このオジさん怒り出すんじゃないかな」
とヒヤヒヤしていました。

しばらくしてまた赤ちゃんが
泣き出した時・・・

パンチパーマのおじさんは
赤ちゃんをみて「かわいいでちゅね~」と
赤ちゃん言葉で優しくなだめはじめました。

人は見た目では分からない、
といいますが本当にそんなことも
あるんだなと思った出来事でした。

私たちは人を「理解しているつもり」
であっても、実際には表面上の
浅いレベルの理解なのかもしれません。

人は他人に対して「○○みたいな人だな」と
カテゴリにいれて想像します。

これを一般化というのですが、
これが「分かったつもり」を生み出す原因です。

一般化には考えるエネルギーを
節約する良い面もあるのですが、
人を理解する上では誤解を生み出す
ことにもなります。

人が怒り出す理由


人が「理解されたい」と
感じるのは集団社会で生きていくために
脳に備えられたシステムともいえるでしょう。

お互いに理解することができなければ、
共存していくことが難しくなってしまいます。

家庭内で旦那が
「なんで分かってくれないんだ!」
と怒り出すのも、

息子が「おもちゃ買って!買って!」
と言ってワガママをいいだすのも、

その根底にあるのは
『理解』されたいという心理です。

怒っている旦那もワガママをいう息子も、
「オレ(ぼく)の事を理解してくれ」
という心理状態が表にでているのです。

もし

「この人には何を言っても理解してもらえない」

と感じたら、そんな意思表示を
することはありません。

かんたんではありませんが、

逆に彼らを深い部分で理解してあげて、
その態度が彼らに伝わった時は
彼らの態度は変わります。

あなたはどうやって理解する? 

私は本当の意味での深い理解は
奇跡を起こすと感じています。

あなたはどうやって目の前の人へ
深い理解をすることができるでしょうか?

少し時間をとって
考えてみて欲しいと思います。

・・・私が感じているその方法の1つは

自分の「見方」を捨てる

という事です。

私たちは過去の経験をベースに
したそれぞれの「見方」を持っています。

それを一度、横において
おくということをします。

そして2つめは

相手の世界観を理解する

ということです。

目の前の相手が
「どのように見ているのか?」
「それについてどのように感じているのか?」
ということを深く寄り添って一緒に考えます。

これは言葉でいうとかんたんですが、
実際には非常に難しいですし
精神的にすごく疲れます。

ですが、そうやって深く関わることで
「私は何があってもあなたの味方だよ」
という事をできるだけ伝えます。

何を「言うか」ではない


そのように関わっていくことで、
言葉では伝わらないことが相手に伝わった時、
奇跡が起こるのを何度も見てきました。

その度に言葉だけではない、
カウンセラー側の態度が重要なんだと痛感します。

相手がどんな凶悪な人物であったとしても
意味不明な行動をする人でも、

共感することはできなくても
「理解」することはできる。

そういう風に私は考えています。

自分が体験したことが無いような話、
ついていけないような話でも理解をしようとする。

そんなところに力が生まれる。
そういった関わりから「勇気」が生まれる。

私はそんな風に思っています。

あなたはどんな風に相手を
理解しようとされるでしょうか?

日本グリーフ専門士協会
野村優

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野村 優(のむら ゆう)

日本グリーフ専門士協会の広報担当。 協会の代表理事 井手の考えに共感して2015年からグリーフケアを広める活動を始める。 厳しい現場で働く看護師、介護士の人が使えるグリーフの知識を分かりやすく伝えるところが評価されている。 ロジカルな説明口調なので冷たいイメージを持たれるが、実際にはよく笑う人当たりの良いキャラクターで周りを和ませている。

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