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日本グリーフ専門士協会 ブログ

死ぬ前に後悔しないための25項目

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日本グリーフ専門士協会の井手敏郞です。

 

遺言を書く

 

突然ですが、あなたは遺言を書いていますか。

「まだそんな歳ではない。バカにするな」と思っているでしょうか。

「そんなことは考えたくない」と感じるでしょうか。

 

私はだいぶ前から遺言を書いています。

一番最初に書いたのは20代でしたが最近も書き直しました。

 

そしてその内容は今後も更新するつもりです。

なぜかというと20年以上前に書いた遺言は今の私には役に立たないからです。

当時と今の気持ちが大きく変わってしまったのも理由の一つです。

 

また3年ほど前、

エンディングノートを真剣に書いてみたものの、

書き換えられないことで今の気持ちが届かないと思い、

今は破棄してしまいました。

 

今回は詳しく触れませんが、私はその悩みを

ある方法を使って書くことで解消することができました。

書きながら涙が溢れることがありますが、

これからも時々更新することになると思います。

 

今日はこんな方法で書いていると

妻にも伝えたことで、私自身が少し安心したところです。

 

あなたが死ぬ前に後悔すること

 

これは自分が後悔しないための一つの取り組みですが、

今回は、あなたが自分の人生を見つめ直すきっかけとして、

「死ぬときに後悔しないためにできること」はなんだろうという

テーマで綴ってみたいと思います。

 

少し前にベストセラーになった一冊で、

緩和医療医として活躍される大津秀一さんの

『死ぬときに後悔すること25』(致知出版)

には、死を前にした患者さんたちの後悔が

25項目でまとめられています。

 

あなたにはこのあとメールを読み進めるのを止めて、

10分間でいいので、紙とペンを持って、

このまま死んだら後悔するのではと感じる項目を10個、

(できれば25個)自分で書いてみてほしいと思います。

 

その上で以下の文章を読まれると、

受け取るものが全く違うはずです。

 

がんの末期はざまざまな苦痛を伴います。

終末期の患者をまず苦しめるのは身体的な苦痛であり、

それを取り除くのが大津さんら緩和医療医の仕事です。

 

しかし一方で、身体的苦痛は取り除けても、

その人の心の苦痛を取り除くことはなかなか難しいと、

約1000人もの最期を見届けてきた彼は述懐します。

 

「明日死ぬかもしれない」

と思って生きる人は後悔が少ないといわれます。

明日死ぬかもしれないと考える人間は、

限られた生の時間を精一杯生きようとしている人間であり、

日々最善を尽くす人間であり、

一期一会を思うからかもしれません。

 

大津さんは何百もの症例を集積し、人生最期の課題は、

実はそれほど多様ではないと指摘します。

 

10個以上書いて見られたでしょうか。

まだの方はぜひ書いてから見てくださいね。

 

当然ながら、あなたが書いたものと

ここに書かれている25の項目が

一緒である必要がないのはいうまでもありません。

しかし比較することで自分を見つめ直すヒントになるはずです。

 

ではその内容とは如何なるものなのでしょうか。

著書では25の代表的な後悔が挙げられています。

 

1、健康を大切にしなかったこと

2、たばこを止めなかったこと

3、生前の意思を示さなかったこと

4、治療の意味を見失ってしまったこと

5、自分のやりたいことをやらなかったこと

6、夢をかなえられなかったこと

7、悪事に手を染めたこと

8、感情に振り回された一生を過ごしたこと

9、他人に優しくなれなかったこと

10、自分が一番と信じて疑わなかったこと

11、遺産をどうするかを決めなかったこと

12、自分の葬儀を考えなかったこと

13、故郷に帰らなかったこと

14、美味しいものを食べておかなかったこと

15、仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと

16、行きたい場所に旅行しなかったこと

17、会いたい人に会っておかなかったこと

18、記憶に残る恋愛をしなかったこと

19、結婚をしなかったこと

20、子供を育てなかったこと

21、子供を結婚させなかったこと

22、自分の生きた証を残さなかったこと

23、生と死の問題を乗り越えられなかったこと

24、神仏の教えを知らなかったこと

25、愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと

 

この中のいくつかに触れたいと思います。

2番目の「タバコをやめなかったこと」については、

「たばこを吸って病気になっても、俺が自分で決めたことだから」

と大声で笑っていた男が、

「先生、タバコを止めておけばよかった」

と泣きそうになったという話が紹介されています。

 

人間は弱い生き物だから

 

喫煙は当然肺がんのリスクを増やします。

人間は弱い生き物でもあります。

「俺が決めたこと」という今の勢いが

「そのとき」には通じないかもしれません。

大津さんは、死に際に後悔しない一つとして、禁煙を勧めています。

 

6番目の「夢をかなえられなかったこと」では

ピアニストになれなかった女性の話が語られています。

 

彼女はプロのピアニストにはなれませんでしたが、

最後に病棟の患者さんの前で演奏をします。

その演奏は多くの方の涙を誘いました。

 

誰かを感動させたり、勇気づけたりすることは

プロのピアニストであっても

簡単にできることではないでしょう。

 

その点において彼女の最期の演奏は

プロを凌駕したといえるかもしれません。

 

過ちを犯したとき

 

10番目は「自分を一番と信じて疑わなかったこと」です。

孔子の言葉が引用されています。

 

「子曰く、吾れ

十有五にして学に志す。

三十にして立つ。

四十にして惑わず。

五十にして天命を知る。

六十にして耳従がう。

七十にして心の欲するところに従って矩(のり)を踰(こ)えず」

(『論語』為政編)

 

「私は十五歳で学ぶようになり、三十歳では独立する。

四十歳で自分の選んだ道に迷わないように進み、

五十歳では自分に与えられた使命に気づく。

六十歳では人の言葉に受け止められるようになり、

七十歳で自分の思うままに振る舞い道を外れないようになった」

という意味です。

 

かの孔子でさえ、

六十歳にしてようやく人の言葉を素直に聞けるようになった

というのですから驚きです。

 

孔子のいう七十歳は、道を踏み外さなくなったという七十歳は、

今でいえば八十歳くらいのことかもしれません。

 

人生では過ちもたくさんあります。

しかし誤りに気付いたらいつでも直すことを

はばからないことが大事ですね。

 

死を超えるために

 

23番目の「生と死を乗り越えられなかったこと」は

かなり大きなテーマですが、

私がグリーフケアに従事したいと考えたのは、

まさにこのテーマと正面から向き合えると思ったからです。

 

グリーフケアと聞くと、

遺族のサポート考える方も少なくありません。

たしかにグリーフケアは遺族のサポートが一番のテーマともいえます。

 

グリーフケアの真の意味は、一人一人がこの取り組みを通して、

人生で後悔しないために何が大切なのかを見つめ直すものことにあると思っています。

 

なのでグリーフケアを少し広い捉え方をしています。

実際、私はこの取り組みによって本当に多くの心の糧を得てきました。

それは今も続いています。

あなたにとってもグリーフケアが人生で後悔しないための

力になればと思って情報を発信しています。

 

最後にあげられているのは

「愛する人に『ありがとう』と伝えなかったこと」です。

 

私自身グリーフケアに取り組む中で、

何度と聞いてきたのは

「感謝の言葉を伝えられなかった」ことへの後悔です。

 

妻の突然死で苦しんだ男性は、

5年以上たってもなお、

妻に申し訳ないという気持ちを抱えていました。

 

彼は口数が少なく、結婚して30年たつ奥さんに

感謝の言葉を伝えたことはなかったといいます。

 

しかし別れは奥さんの心筋梗塞という形で突然訪れました。

 

これまでの生き方でいいのか。

これまでの態度でいいのか。

あるいは改める必要があるのか。

 

自分のこれからのために少し時間をとって、

自分なりに書いたものに加えられるものを

考えてみてはいかがでしょうか。

 

日本グリーフ専門士協会

井手敏郞

 

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井手 敏郎(いで としろう)

井手 敏郎(いで としろう)

日本グリーフ専門士協会の代表理事。 全国各地で現場で使える実践的なグリーフケアの技術を教える講義を行っている。 アドラー心理学やユングの分析心理学、フロイトの精神分析などの他、国内外のコーチング、カウンセリングやヒプノセラピーなどについても学んでいる。現在はカルフォルニア臨床心理大学院で臨床心理の研究を行う。

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