いかがお過ごしでしょうか。
日本グリーフ専門士協会の井手敏郎です。

続けるって簡単なことではありませんが、
このブログのテーマは私のライフワークでもあるので、
大事に育てていきたいなと思っています。

死別体験の初期の混乱期の対応で大切なことはなんでしょう?

たとえ余命を宣告され、心づもりしていたつもりでも、
大切な人の永遠の沈黙に対して覚悟ができている人はいない
といってもいいでしょう。

 

混乱といっても様々です。

ある女性は夫の死の宣告を受け、
病院に響き渡る声で泣き叫び続けました。
看護師がなだめようとしても、
それを振り払って殴り掛かる場面もありました。

無力感に襲われ、ただ呆然とする人もいれば、気を失ったり、

反対にまるで何もなかったように振る舞う人もいたりします。

反応は違いますが、そのいづれもが混乱から生ずるものです。

それらの状態は決して異常な反応ではなく、
喪失体験をした方なら当然、起こし得るものといえます。

精神的な外傷(トラウマ)になるかどうかは、
故人との心理的な距離に加え、いつ、どこで、
どのように亡くなられたかによっても大きく異なります。

人によって大きく違う混乱期において、
まず知っておきたいことがあります。

それは直接的に受け止めることがあまりにもつらい場合、
意識するかしないかに関わらず、混乱という反応を通して、
自分の中にあるショックを和らげようとしていることです。

混乱やショックという状態は、
見たくない死という現実や、聞きたいなく言葉、
場合によっては堪え難い周りの態度への「緩衝剤」として働いています。

そういう意味で混乱状態は己を守るための手段であり、
このような時期に、
「これからはあなたしかいないんだからしっかりして」
といった声かけは適切ではないことがわかるでしょう。

相手は目の前で世界が崩壊する恐ろしい体験のため、
絶望に打ちひしがれているかもしれません。
そんなときに周りからの慰め言葉が心に届くかはわかりません。

混乱期には、なにか気の利いた言葉を伝えようと考えるのではなく、
身近な人が「ただ傍にいる」ということが大切です。

何も言われなくても、それだけで少し安心できたという方は少なくありません。
相手をしっかりさせる必要はありませんが、
この時期に安心させることは大切です。

それ以外にも知っておくべき点は沢山ありますが、
言葉をかけなくてもできることはあります。

<追記>

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井手 敏郎(いで としろう)

井手 敏郎(いで としろう)

日本グリーフ専門士協会の代表理事。全国各地で現場で使える実践的なグリーフケアの技術を教える講義を行っている。アドラー心理学やユングの分析心理学、フロイトの精神分析などの他、国内外のコーチング、カウンセリングやヒプノセラピーなどについても学んでいる。現在はカルフォルニア臨床心理大学院で臨床心理の研究を行う。