こんにちは。
日本グリーフ専門士協会の井手敏郎です。

最近、茨城の田舎を飛び出し、
浅草までヨガを通いだしたのですが、
おじさんになっても自分に向けられる視線は気になります。
女性の中にあって、少しでもかっこよさを保ちたい気持ちが一杯だと感じます。
特に周りに美女が多いとその傾向が……。今日はそんな話です。
 
20歳の子供さんを病気で亡くした夫婦がいました。
奥さんは塞ぎ気味で、周囲とのコミュニケーションもなくなっていきました。
 
一方、夫は変わらず仕事を続けていました。
とても愛想がよく頑張りやの男性ですが、
やはりつらいことがあるのではと周囲の人が声をかけても、
大丈夫、俺が頑張らないとね、というばかりでした。
 
彼は大丈夫と周りは安堵していたものに、
どこかひっかかったという質問を受けたことがあります。
 
あくまで一般的にということですが、
女性のグリーフにくらべ、
男性のグリーフは複雑になる傾向があります。

なぜなら男性は女性以上に、
感情を表に出しにくい立場にあるからです。

時代によって少しずつ変わってきているものの、
男が家族を守らなければならない。
男がいつまでもメソメソしていたら格好が悪い。
俺まで崩れたら、妻が動揺してしまう。
部下達の手前、だらしない姿を見せたくない。
ここで止まっていたら周りに負けてしまう。
この苦境は俺がなんとかしなければ。

そんな気持ちが強い男性は、
つらい気持ちを周囲に隠しがちです。

しかしグリーフの観点から考えると、
哀しみを吐き出せない状況は好ましくなく、
あとでなんらかの歪みを生じることが予想されます。

突然、怒りが涌き上がってきたり、
急に、仕事に身が入らないということがしばしば起こります。

かといって「大丈夫」と尋ねても、
多くの男性は「大丈夫」と答えがちです。

特に哀しいという気持ちを出すことに躊躇している相手には、
別のアプローチが必要になります。
 
「内面」を話すことを躊躇する男性も、
「外面」については意外と話がしやすいようです。
 
一例をあげれば、
「お子さんを亡くしてからつらいよね」
という話より、
「最近、眠れてる。あんまり休んでないんじゃないの」
という話のほうが、本音を言いやすく、
自分の現状を言葉にすることができます。
 
少しでも自分の状態を語れることが大切です。
自分を心から気にしてくれる人であり、安心して話せる相手だとわかれば、
人は自己開示できるようになります。
 
男性の場合は内側より外側のアプローチが有効です。
弱みを見せない相手がいたら、このことを思い出し、
心ではなく、身体のことを気遣ってみましょう。

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井手 敏郎(いで としろう)

井手 敏郎(いで としろう)

一般社団法人日本グリーフ専門士協会の代表理事。看護師、介護士、ケアマネジャーへの講演をはじめ、死別などによる悲嘆(グリーフ)を抱えた方の支援者を養成している。悲嘆支援の担い手であるグリーフ専門士・ペットロス専門士は国内外に約500人にのぼる。日本、アメリカ、ドイツでグリーフケア、カウンセリング、コーチングを追求。より実践的なグリーフケアを目指し、アドラー心理学、ゲシュタルト療法、ヒプノセラピーを統合した学びを提供している。現在はカルフォルニア臨床心理大学院で臨床心理を探めながら、精神科クリニックや上野駅前サロン「CROSSROAD」で毎週、遺族へのグループカウンセリングも行っている。