大切な人や大切な存在の死と向き合ったとき、
あなたには何ができ、何を伝えられるのでしょう。
あるいは、あなたは何を控え、何を語らないほうがいいのでしょう。
喪失体験による悲嘆を「グリーフ」といいます。
哀しみ、恐れ、怒り……様々な感情や想いが涌き上がりながら、
周囲の状況や自分自身の思いなどによって、
それらの気持ちを「不適切な形」で押さえ込み、
苦しんでいる状態のことです。
そんな中、大事な存在を失った方は、
周囲の言葉に傷つくケースが少なくありません。
「もう3年も経ったのだから」
「そんなに嘆き続けたら、きっとあの子も悲しむよ」
「あなたも前を向いたほうがいい」
いずれも、遺族を思いやってのことでしょう。
しかし大きな哀しみは、ただ時間をかければ癒えるものではなく、
さまざまな形で、幾重にも覆いかぶさり、
励ましがかえって大きな痛みにつながる場合もあります。
悲嘆の中にいるクライアントの状況を配慮しながら、
その人らしく進んでいくためのサポートをしていくことが
グリーフケア(グリーフサポート)です。
そんなグリーフを抱えた方にとっての頼れる「同行者」を目指し、
専門性を追求している仲間がグリーフ専門士・ペットロス専門士です。
養成講座の受講者は大学教授、大学准教授、大学講師、
医師、獣医師、看護師、獣看護師、介護福祉士、ケアマネジャー、
僧侶、葬祭関係者、保険業、主婦と幅広く、約500人のメンバーが資格取得しています。
近年は日本国内のみならず、
アメリカ、カナダ、オーストラリア、インドネシア、中国でも
資格取得者が現れ、各地で活動の輪が広がってきています。
もう少し詳しくグリーフケア・ペットロスケアのことや
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大きな哀しみを抱えている相手だけに、
繊細な関わりが必要ですが、
大切なポイントをできるだけシンプルにお伝えします。

井手 敏郎(いで としろう)
