大切な人の死と向き合ったとき、
あなたには何ができ、何を伝えられるのでしょう。
あるいは、あなたは何を控え、何を語らないほうがいいのでしょう。

喪失体験による悲嘆を「グリーフ」といいます。
哀しみ、恐れ、怒り……様々な感情や想いが涌き上がりながら、
周囲の状況や自分自身の思いなどによって、
それらの気持ちを「不適切な形」で押さえ込み、
苦しんでいる状態のことです。

そんな中、大事な人を失った方は、
周囲の言葉に傷つくケースが少なくありません。

「もう3年も経ったのだから」
「そんなに嘆き続けたら、きっとあの子も悲しむよ」
「あなたも前を向いたほうがいい」

いずれも、遺族を思いやってのことでしょう。
しかし大きな悲しみは、ただ時間をかければ癒えるものではなく、
さまざまな形で、幾重にも覆いかぶさり、
励ましがかえって大きな痛みにつながる場合もあります。

悲嘆の中にいるクライアントの状況を配慮しながら、
その人らしく進んでいくためのサポートをしていくことが
グリーフケア(グリーフサポート)です。

大きな哀しみを抱えている相手だけに、
繊細な関わりが必要ですが、
大切なポイントをできるだけシンプルにお伝えします。

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井手 敏郎(いで としろう)

井手 敏郎(いで としろう)

日本グリーフ専門士協会の代表理事。全国各地で現場で使える実践的なグリーフケアの技術を教える講義を行っている。アドラー心理学やユングの分析心理学、フロイトの精神分析などの他、国内外のコーチング、カウンセリングやヒプノセラピーなどについても学んでいる。現在はカルフォルニア臨床心理大学院で臨床心理の研究を行う。